フェルミ推定練習問題「都内の書店1店舗あたりの年間売り上げは?」【コンサルへの最短距離】

ケース例題

お題

「都内の書店1店舗あたりの年間売上は?」
難易度: ★★★☆☆(3/5)
制限時間: 10分

書店はビジネスパーソンにとって、様々な情報を得られる非常に重要な場所です。
ここでは、年間売上がどのくらいになるのかを推定してみましょう。

ポイント

書店の年間売上を推定するためには、売上がどこで生まれるのかを考えるのが必要です。
どのように分解するかを考えられるかがポイントになります。

ヒント

  • 1日当たりの来店数から考えてみるのもよいですが、どれくらいの人が購入するかを考えるのは難しそうです
  • 本を購入する人が必ず通る場所がありますよね?そこに気づけるかがミソです!

<広告>

グルディス対策が1日で完結する就活イベント【デアイバ(DEiBA)】

回答例

それでは、書店の売上高を推定してみましょう。

アプローチ:本を購入する人が必ず通る場所は??

ヒントにも書きましたが、本を購入する人が必ず通る場所があります。皆さんは気づけましたか?

そうです。レジです。

本屋さんに何人の人が来ようが、結局レジだけに注目すれば、書店の売上高は推計できるわけなんですね。それでは、レジを通る人に注目して、推定していきましょう!

レジの台数 × 稼働率(1台当たりの年間顧客数)× 顧客単価

で割り出せそうですね。

レジの台数は?

ここでは、多くの人がイメージしやすいであろう、東京駅前の丸善丸の内店を想定して推計していきます。自分もいつも大変お世話になっている書店です笑

丸善丸の内店は非常に大きな書店で、4つのフロアにそれぞれレジがあります。
簡単に計算するため、各フロアのレジ数は4台ずつとし、各レジの回転率はほとんど同じものとして考えていきます(実際にはフロアごとに回転率は変わりますが、フェルミ推定ではこれくらいざっくり計算していくのが一般的です)

レジの台数 = 4フロア × 4台 = 16台

レジの回転率は?

ここが今回の推計のポイントになります。レジの台数と顧客単価はそこまで精度を上げられないので、回転率をどこまで正確に割り出せるかで数字の精度が決まってくるのは何となくわかるかと思います。というわけで、制限時間の10分のうち、5,6分くらいはここで使ってしまいましょう

まず、基本的な部分の数字ですが、丸善丸の内本店の営業時間は9時~12時です。一人あたりにかかるレジ対応の時間は2分くらいですかね。一時間当たりの最大対応可能人数(稼働率100%)は、レジ1台当たり60÷2=30人です。これを前提として以降の推計を進めていきます。

レジの回転率は、時間帯平日か休日かによって変わってくるかと思います。季節性はそこまでなさそうですよね?

平日の稼働率

平日は、朝や昼はそこまでお客さんはいなさそうです。特に朝はほとんど動いておらず、稼働率はかなり低そうです。一方、昼~夕方になってくると学生やパートの人たちが少しずつ来るかもしれません。
ビジネスパーソンたちが退勤した後の18時~21時くらいはかなり忙しくなるのではないでしょうか。

以上を踏まえ、平日の稼働率をざっくり以下のように分解してみます。

  • 朝(9時~12時):平均稼働率 30%
  • 昼~夕方(12時~18時):平均稼働率 50%
  • 夜(18時~21時):平均稼働率 90%

休日の稼働率

休日は全体的に平日よりも稼働率は高そうです。
また、平日とは違って朝から夕方が忙しそうな感覚ですね。朝はまだ目が覚めてない人も多いのでやや稼働は低く、午後から夕方にかけてがピークになりそうです。
夜になってくるとみんな遊びに行くので忙しいとはいえ少し落ち着くと思います。

以上を踏まえ、休日の稼働率をざっくり以下のように分解してみます。

  • 朝(9時~12時):平均稼働率 50%
  • 昼~夕方(12時~18時):平均稼働率 90%
  • 夜(18時~21時):平均稼働率 70%

顧客単価は?

肌感になりますが、1人当たりの平均購入冊数が3冊くらい、1冊あたりの平均単価が1,000円くらいとおいてみましょう。

顧客単価 = 3冊 × 1,000円/冊 = 3,000円/人

計算

それではこれまでに集めた情報をもとに計算してみましょう。

平日の1日当たり売上高は以下になります。

16台 × (30% × 3時間 + 50% × 6時間 + 90% × 3時間) × 30人/時間・台 × 3000円/人 = 約1,000万円

休日の1日当たり売上高は以下になります。

16台 × (50% × 3時間 + 90% × 6時間 + 70% × 3時間) × 30人/時間・台 × 3,000円/人 = 約1,300万円

以上から、1週間当たりの売上は以下のようになります。(簡単のため、祝日や年末年始等は考慮していません)

(1,000万円 × 5日/週 + 1,300万円 × 2日/週) × 52週/年 = 3,952百万円

以上から、売上高は3億9520万円という結論となりました。

数字チェック

残念ながら、丸善丸の内本店の1店舗当たりの売上高は公開されていません。
しかし、書店の1店舗当たりの売上高の平均は約1億円程度とのことです。

丸善丸の内本店の規模を考えると、平均の4倍というのは何となく少ない感じがします。
平日の稼働率や顧客単価を低く見積もっているのかもしれません。

まとめ

今回は、書店の売上高を、レジの稼働率アプローチで推計してみました。
このような物販系の店舗の売上高はレジアプローチが使えることが多いので、ぜひ覚えておきましょう。ただし、フェルミ推定の方法に明確な正解はないので、違うアプローチでも試してみると勉強になるかと思います!

実際のケース面接では、出てきた数字が大きく外れていないことも大事ですが、それ以上に思考の過程が見られます。数字が大きく外れていた場合、なぜそのようになってしまったのかを考え、それを伝えることも重要になるので、フィードバックも行う癖もつけていきましょう!

ケース面接対策の進め方はこちらから!
ケース面接で面接官に好印象を与える方法はこちら

<広告>
グルディス対策が1日で完結する就活イベント【デアイバ(DEiBA)】


コメント

タイトルとURLをコピーしました