フェルミ推定練習問題「国内の美容師の人数は?」【コンサルへの最短距離】

ケース例題

お題:日本国内の美容師の人数は?

「日本国内の美容師の人数は?」
難易度: ★★★★☆(4/5)
制限時間: 30分

世の中のコンビニの数よりも美容院の数の方が多いそうですね。
今回はたくさんある美容院で働く美容師さんの人数を推定してみましょう!

ポイント

最初のアプローチの決め方が肝心です。どのように分解していくかを考える前に、どう考えたら数字に近づけるかを考えてみましょう。
おそらく、多くの人が美容師を使っているかと思います。そのため、自分の感覚で出せる数字をもとに計算できる形のアプローチにした方がよさそうです。

ヒント

  • 一番シンプルなアプローチは美容院の店舗数×1店舗当たり人数ですが、どちらも推定するのは難しい気がします
  • 皆さんも美容師を使われていると思います。1回あたり大体どれくらい時間がかかるかはわかりそうですね
  • 需要と供給アプローチで計算してみるとうまくいきそうですね!
  • ちなみに、髪を切る場所は床屋と美容室でわかれそうです

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回答例

それでは、国内の美容師の人数を推定してみましょう。

アプローチ:必要な美容師の人数は?(需要と供給)

ヒントにも書いたように、店舗数や1店舗当たりの人員数は、チェーンかそうでないか、地域、などの様々なパラメータで変わってきそうなので、分解や数字の仮定が難しそうです。

よりシンプルに考えるには、需要と供給アプローチがよさそうですね。
具体的には、1年あたりの美容師需要をちょうど賄えるだけの美容師が国内にいる、というような仮定のもと、

年間の美容師需要÷年間に美容師が対応できる人員数(回転率)

で割り出せそうですね。

美容師の需要は?

美容師の需要は、

1人当たりの年間美容師利用回数×美容師利用者数

で計算できますね。ここの場合分けが重要ですので、時間が限られていますが少し丁寧に行きましょう。

年間の利用回数

年間の美容師利用回数でいうと、男性は月1回、または2月に1回程度の方が多いかと思います。ここでは間を取って男性は月に1.5回としましょう。女性は月に1回で考えてみます。

年間の利用回数は以下のようになります。

男性:12 ÷ 1.5 = 8 回/年
女性:12 ÷ 1 = 12 回/年

美容師を利用する人数

次に、美容師の利用者数です。ここが今回ちょっと大変なポイントですね。
美容師の利用者数は

人口×利用率

で考えていきたいです。利用率はおそらく性別と年代で変わってくるかと思います。
ここの性別と年代ごとの利用率をどこまで正確に出せるかで数字の精度が変わってきます。(ただし、実際のケース面接では数字の精度よりも思考の過程が重視されるので、外しすぎなければ大丈夫です)

各年代ごと、性別ごとの利用率を以下のように仮定してみます。

男性

  • ~小学生:20%
  • 中学生~高校生:20%
  • 大学生:30%
  • 社会人(20代~60代):50%
  • 高齢者(60代~):10%

女性

  • ~小学生:20%
  • 中学生~高校生:60%
  • 大学生:70%
  • 社会人(20代~60代):90%
  • 高齢者(60代~):50%

ちなみに全体的な考え方は以下のようにおいています。(このように、考え方を言えることが面接では非常に大切になります!)

  • 小学生までは基本的に男女差は少なく、かつ安価な床屋に行く人がほとんど
  • 中学生からは、思春期に入り、女性の方が美容室の利用率が高くなる
  • 大学生になると、さらに見た目に気を遣うようになり、利用率が上がる
  • 社会人になると、見た目がさらに重要になるとともに、金銭的余裕が出てくるため、利用率がさらにあがる。社会人全体で利用率は馴らして問題ないと思われる
  • 引退後の人々は、見た目に気を遣う必要性が落ちるため、利用率が落ちる

日本の総人口は約1億2,500万人とします。これを世代別に分解すると以下のようになります。

  1. 小学生:約10%
    • 約1,250万人
  2. 中学生高校生: 約4%
    • 約500万人
  3. 大学生: 約2%
    • 約250万人
  4. 社会人(20代~60代): 約40%
    • 約5,500万人
  5. 高齢者(60代~): 約40%
    • 約3,000万人

それでは、各年代の利用者数を計算してみましょう。ここでは男女比は全世代で1:1とおきます

  1. ~小学生:
    • 男性:1,250万人 × 1/2 × 20% = 125万人
    • 女性:1,250万人 × 1/2 × 20% = 125万人
  2. 中学生~高校生:
    • 男性:500万人 × 1/2 × 20% = 50万人
    • 女性:500万人 × 1/2 × 60% = 150万人
  3. 大学生:
    • 男性:250万人 × 1/2 × 30% = 37.5万人
    • 女性:250万人 × 1/2 × 70% = 87.5万人
  4. 社会人(20代~60代):
    • 男性:5,500万人 × 1/2 × 50% = 1,375万人
    • 女性:5,500万人 × 1/2 × 90% = 2,475万人
  5. 高齢者(60代~): 週に1回(年間52回)
    • 男性:3,000万人 × 1/2 × 10% = 150万人
    • 女性:3,000万人 × 1/2 × 40% = 600万人

合計の利用者数は以下のようになります。

男性:125万人 + 50万人 + 37.5万人 + 1,375万人 + 150万人 = 約1,750万人
女性:125万人 + 150万人 + 87.5万人 + 2,475万人 + 600万人 = 約3,500万人

美容師の回転率は?

美容師の回転率(年間に対応可能な人数)は、1日当たりの対応可能人数×稼働率で出てきそうです。
1日当たり対応可能人数は1日当たり稼働時間÷1人当たりにかかる時間で出てきそうですね。

このうち、稼働率は平日か休日か、1人当たりにかかる時間は性別で決まりそうです。
後者は男性1時間、女性3時間くらいで考えてみます。利用者の男女比は大体1:2だったので、平均2時間くらいになりそうです。

休日の回転率

ボリュームゾーンである社会人は休日に来ることが基本になるかと思います。加えて平日は授業がある高校生以下も休日に来るのが基本ですね。

休日は美容室の予約が埋まっていることがほとんどと考えて、休日の稼働をほぼ100%として、それと比較して平日の稼働率を考えてみる方向でやってみましょう。

営業時間が10時から19時の9時間、休憩1時間とすると、1人当たり対応可能な人員数の最大値は

(9-1)時間 ÷ 2時間/人 = 4人

休日は1人当たり4人対応している想定で行きましょう。

平日の回転率

平日の稼働率は、簡単に計算するため、休日の半分程度としてみます。(平日に来る大学生、主婦、高齢者の人口を考えても、水準としては違和感がない、もしくは少し高いくらいかと思います)

4人 ÷ 2 = 2人

平日は1人当たり2人対応している想定になります。

計算

年間の利用者の利用回数合計は以下のようになります。

男性:8回/年 × 1,750万人 = 14,000万回/年
女性:12回/年 × 3,500万人 = 42,000万回/年
合計:14,000万回/年 + 42,000万回/年 = 56,000万回/年

美容師1人あたりの年間対応人数は以下のようになります。

(4人/日 × 2日/週 + 2人/日 × 3日/週*)× 52週/年 = 約700人/年
*:週休二日で、平日を休暇として計算

以上から、年間の美容師数は以下のように計算できます。

56,000万回/年 ÷ 700人/年 = 80万人

以上から、美容師の人数は80万円という結論となりました。

数字チェック

「令和4年度行政報告例」によると、令和4年度時点での美容師の数は57万1,810人とのことです。
はじき出した数字が大きいのは、需要を高く見積もりすぎていたのかと思われます。

まとめ

今回は、国内の美容師の人数を、需要と供給アプローチで推計してみました。
需要と供給アプローチはこのようなサービス業の専門職の人数の推定にも使えるので、覚えておくとよいと思います!

実際のケース面接では、出てきた数字が大きく外れていないことも大事ですが、それ以上に思考の過程が見られます。数字が大きく外れていた場合、なぜそのようになってしまったのかを考え、それを伝えることも重要になるので、フィードバックも行う癖もつけていきましょう!

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